飴色蝶 *Ⅱ*

菫は、首を左右に振る。

「こわくない
 怖くなんかないよ
 もう、この先何があっても
 貴方の傍を離れたりしない
 貴方が決めた道を
 私も付いていく、だから
 私を一人にしないで」

「一人にしないさ
 
 ずっとずっと
 
 一緒にいよう」

見つめ合い、微笑み合う二人

庵は起き上がり、菫の肩に
自分のシャツをかけてあげ
自分は脱いだTシャツを
身に纏い

煙草を銜え火を付けた。

庵のシャツに腕を通し、ボタン
をかけた後、菫は、庵の傍へ
近寄る。

「あっ、そうだ
 ちゃんと、御礼言わなくちゃ
 イオリ、この部屋に私を連れ
 て来てくれてありがとう
 
 本当は私、ずっと、この場所
 に来たかったんだぁ
 
 ここは、大好きな貴方と
 初めて触れ合えた場所だから
 願いが叶ってとっても
 嬉しい」

そう言って、満面の笑みを
浮かべる菫。