あの日、夕暮れ時
泣きながら帰った道。
「親父、着きました」
「ああ、すみれ、降りよう」
車から降りた私は、驚くのと
同時に、嬉し過ぎて涙が溢れた
そう、この場所は、過去に
一度だけ訪れた事がある
庵の住むマンションの前だった
あの日以来、どんなに願っても
連れて来てもらえなかった場所
貴方と初めて、結ばれた場所。
庵は、右腕で菫の肩を抱いた。
「カナメ、明日、電話する」
「はい、分かりました」
菫の肩を抱き、歩きながら
庵は、いつものように背中越し
に二度手を振り、建物内へと
入って行った。
その姿を確認した要は
その場を離れる。
エレベーターを待つ二人。
泣きながら帰った道。
「親父、着きました」
「ああ、すみれ、降りよう」
車から降りた私は、驚くのと
同時に、嬉し過ぎて涙が溢れた
そう、この場所は、過去に
一度だけ訪れた事がある
庵の住むマンションの前だった
あの日以来、どんなに願っても
連れて来てもらえなかった場所
貴方と初めて、結ばれた場所。
庵は、右腕で菫の肩を抱いた。
「カナメ、明日、電話する」
「はい、分かりました」
菫の肩を抱き、歩きながら
庵は、いつものように背中越し
に二度手を振り、建物内へと
入って行った。
その姿を確認した要は
その場を離れる。
エレベーターを待つ二人。


