何も知らない、菫を乗せた車は
走り出す。
「ねえ、イオリ
どこへ連れて行って
くれるの?」
そう問いかける菫に、庵は
何も話さずに、いつものように
窓の外を流れる景色を
見つめていた。
静けさが漂う車内には、菫の手
を握り締める庵の冷たい手の
感触だけがあった。
その手に
ずっと、触れていたい。
この手に
ずっと、触れられていたい。
菫は、頭を左右に振る。
今は、庵の手の、心地よさに
酔っている時では無かった。
菫も、窓の外を眺めながら
いったい何処に向っているのか
とヒントを探す事にした。
ここは、以前、訪れた事が
あるような気がする。
知っているような気がする。
確か、この道は・・・
走り出す。
「ねえ、イオリ
どこへ連れて行って
くれるの?」
そう問いかける菫に、庵は
何も話さずに、いつものように
窓の外を流れる景色を
見つめていた。
静けさが漂う車内には、菫の手
を握り締める庵の冷たい手の
感触だけがあった。
その手に
ずっと、触れていたい。
この手に
ずっと、触れられていたい。
菫は、頭を左右に振る。
今は、庵の手の、心地よさに
酔っている時では無かった。
菫も、窓の外を眺めながら
いったい何処に向っているのか
とヒントを探す事にした。
ここは、以前、訪れた事が
あるような気がする。
知っているような気がする。
確か、この道は・・・


