飴色蝶 *Ⅱ*

「俺が、彼女に言ったんです」

『これから抗争は、もっと
 激しくなる
 一日でも早く終わらせる事が
 できるのは、たったひとつ
 君が、高月組三代目組長
 高月 庵を諦める事だ』

『彼は、会澤組と契りを交わす
 事を拒否しています
 それはきっと、貴女が原因』

庵の顔色が、どんどん
変わって行く。

会澤組長の望みは、それは
高月組と縁組を行うことだけ
には留まらず、庵と一人娘で
ある巴を結婚させ、血さえも
混じり合わせ、二度と会澤組
と高月組が仲たがいする事無く
結束を固め地盤を揺ぎ無いもの
にしたい。 

「彼女が、会澤組と高月組の
 縁組の邪魔をしている事が
 分かった俺は
 彼女を貴方から遠ざけた
 
 いや、違う・・・
 それだけが理由じゃない
 俺は、スミレを愛して
 しまった、だから
 貴方と別れてくれる事を
 願って、彼女にそう告げた」

「・・・・・・」

庵は、言葉が出てこない。