貴方は、とても卑怯な人。

ボロボロに傷ついた私に
口づけを交わす。
 
貴方は、とっても酷い人。

嫌がらずに、彼のキスを
受け入れた私は
 
もっと、もっと、酷い・・・

私は、大切な人を傷つけた。

そして、また誰かを傷つける。 
  
私は彼の腕の中、冷たい言葉
を吐く。

「私は、貴方を愛していない」

「それでもいい」

「私はもう、誰も愛せない」

「それでもいい」

新の唇が、もう一度、菫に
触れようとした、その時

小さな声で、菫は呟いた。

「彼を・・・
 イオリを忘れられない」
 
菫を抱きしめる新の手が放れた
 
「ごめんなさい」