飴色蝶 *Ⅱ*

浬のテンションの高さに
戸惑いながらも、庵は
彼の話を、ちゃんと聞いて
あげながら微笑んでいた。

「カイリ、おしゃべりは
 その辺にして
 早く食べちゃいなさい
 学校に遅れるわよ」

「はぁ~い
 それでね、パパ」

これは、誰もが日々の中で
当たり前のように
送っているであろう、朝の光景

私達は、こんな些細な出来事を
送れるようになるまでに
相当の時間を、いたずらに
費やしてしまった。

過ぎ行く時間の中で、私は・・

自分という人間を偽り、周りに
必死に合わせ、そこに存在価値
を見出してそして納得していた
 
何かがおかしい、何かが違う

こんな私は、わたしじゃない

分かっていたけど、気づかない
振りを続けて悩みなど無いと
明るく振舞って生きていた。
 
そんな私に、彼は教えてくれた