私だけは、ずっとずうっと
貴方の帰りを待っていてあげる

思い掛けない菫の言葉に、驚き
胸が詰まる庵。

答えられない。

「イオリ、聞こえた?」

「ああ・・すみれ、ありがとう
 こんな、勝手な俺を許して
 くれて・・・ごめんな
 
 俺は、お前に約束する
 必ず、お前の元に帰ると・・・
 だから、お前だけでいい
 俺を待っていて」

庵の想いは、菫に届く。

いつもでも、貴方を待ってる。

「三代目、どうぞ」

会澤組、事務所前に乗り付けた車
運転席の男は、拳銃を庵に渡そう
とした。

庵は、首を振る。

そんなもの

今の俺には必要ない。