飴色蝶 *Ⅱ*

ゆらゆらと漂う、あなた・・・

「あっ、黄色のちょうちょう」

浬が、手を伸ばすとその指先に
蝶々はとまった。

・・・どうせ、あなたは

いつものように

消えてしまうんでしょう。

庵がいなくなる事を

知らせる為に

私の前に現われて

そして

彼と共に消えて行く・・・

あなたは、イオリの分身?

もう、知らせてくれなくても
いいよ。

彼は、既に、ここにいない。

もう、ここへは戻ってこない。

もう、あなたに会うのも

これで最後だね。

さあ、消えていいよ。

早く、消えて。

消えて・・・・・・

私なら、大丈夫だから。