飴色蝶 *Ⅱ*

「いいじゃん、一回ぐらい
 スミレちゃんも
 許してくれるって」

「ミキオ、俺は男は食わない」

冗談を言い合いながら
帰って来た、二人の会話に
入っていく雪乃。

「何?ミキちゃん、何の話?」

そこに、赤ちゃんを抱いた更紗
が現われる。

久しぶりに更紗に会った
菫は微笑む。

「あっ、サラ、来てたんだ」

「お邪魔します・・・
 ユキノ、スミレ、久しぶり
 その節は、出産のお祝い
 ありがとう」
 
菫は、更紗の傍へ近寄り
赤ちゃんの小さな手に触れる。

「大きくなったね
 三ヶ月ぐらいかな?」

「ちょうど、三ヶ月」

更紗の後ろに隠れている少女
の可愛い声が聞こえた。

「ママ
 おトイレ行きたいよ」