飴色蝶 *Ⅱ*

一人、あの場所を後にして
家路に着く菫。

庵、同様に、菫も何かを
考えていた。

「ママ、おかえり」

「片付け進んでた?
 今日中に終わりそう・・・
 スミレ、スミレ
 どうかした?」

「あっ、ただいま・・・
 ううん、何でもないよ」

この場所に、貴方は戻って
来てくれるだろうか。
 
不安で、不安で堪らないけれど

あの場に残って、貴方を見張る
ような事はしてはいけない。
 
『俺は、どこにも行かない』

私は、貴方の言葉を信じている

お願い・・・

早く、帰ってきて

私の元に。

夜になり・・・

リビングのドアが開くと
そこに貴方が立っていた。