「お前から父親を奪っておいて
 何の償いもせずに自分だけ
 幸せになろうなどと
 痴がましいけれど
 俺は、塀の中で決めたんだ
 今度、自由を手に入れた時は
 すみれと子供だけの為に
 生きると・・・
 
 だから、トモエ、お前が
 泣いても俺は、お前の元へは
 行かない
 もしも、お前が死んでも・・
 
 俺は、お前が思う程、できた
 人間じゃない
 俺が愛して欲しいのはこの世
 に一人だけ
 お前に、憎まれても構わない
 お前の愛は、要らない」

あまりにも残酷な言葉

涙を流す異母妹を見つめる新。

「イオリ、言い過ぎだ・・・」

巴の頬に流れる涙を、優しく
拭ってあげながら

庵は、話続ける。

「分かったろ、トモエ
 お前が想ってる相手は大した
 奴じゃない、自分の事だけを
 考える小さい男さ
 
 そんな奴の事を思って嘆き
 悲しんでる時間は無駄
 でしかない・・・」