紅茶を一口飲んで、カップの淵
に付いた口紅に指で触れる雪乃

「引越し止めれば
 ・・・・・・
 何て無理な話だね
 寂しくなるなぁ」

真剣な表情で、菫は雪乃に言う

「ユキ、今までありがとう」

頭を下げる菫に、戸惑う雪乃。

「ちょっ、やめてよ
 人の事、泣かせる
 気でしょう?
 スミレ、泣いてるし・・・」

「私達、離れていても
 ずっと友達だよね?」
 
「当たり前でしょう
 何かあったら、すぐに
 連絡しておいで
 
 いつでも飛んで行って
 あげるから・・・
 
 それから、私とミキちゃんの
 式には、必ず出席してよね」

「式って、結婚?
 ユキ、おめでとう
 そうだ、引越しの前に
 久しぶりにサラも呼び出して
 三人だけで飲もうよ
 
 昔みたいに
 ねぇ、そうしよう?」