離れる唇・・・

唖然とする菫を、庵はそのまま
押し倒して、覆いかぶさり
彼女を優しく抱きしめて
耳元で囁いた。

「すみれ、俺はお前に逢える
 この日を、ずっと夢見ていた
 
 ずっと
 お前だけを愛している
 ・・・・・・
 今すぐ、お前を抱きたい」

菫の耳元に、涙がスーッと
流れた・・・

こんなに近くに

貴方を感じる事ができる。

触れ合える事の喜び。

不安な想いは

消えてなくなる・・・

「悲しいの?

 嬉しいの?」

「うれしい」

ドアホーンが鳴り響く中

二人は、優しいキスを交わす。