八年前と少しも変わらない

貴方の姿。

ううん、それ以上に

男に磨きが掛かり

色香すら漂う

菫は、そんな庵から視線を
逸らし思うのだった。

それに比べて、今の私は・・・

貴方に愛される自信が無いよ。

繋いだ手が離れる・・・

私は俯き、貴方と目を合わす事
ができない。
 
想いは、言葉になる。

「イオリ・・・
 本当に、私でいいの?
 
 こんなにやつれた顔
 肌だってボロボロだし
 体の線だって崩れてる
 
 こんな私、何の魅力も無い
 抱きたいなんて思わな・・」

庵は、俯く菫の顎に手をかけて
強引に彼女の顔を上げさせたか
と思うと、唇を奪った。
 
唇が触れ合い、瞳を閉じる。

口づけから感じる

『もう、何も言うな』

貴方の想い。