飴色蝶 *Ⅱ*

「だけど、組の人達は、みんな
 イオリの帰りを待っている
 カナメさんも、決して
 口には出して言わないけれど
 貴方が刑期を終えたら、組を
 貴方に返すつもりでいるわ
 その為に、貴方が留守の間
 無我夢中で、高月組を
 守っている」

「カナメには悪いが、俺は堅気
 になった人間
 もう極道には戻らない
 俺の残りの人生、その全てを
 すみれ、お前とカイリに
 捧げる」

庵の繋いでいない一方の手が
菫の頬に触れる。

「・・・ほんとう?」

「ああ、本当だ
 すみれ、今度こそ
 いつかの約束どおり
 結婚しよう」
 
頬に触れる庵の冷たい手
に甘える。

私を見つめる・・・

貴方の真剣な瞳・・・