飴色蝶 *Ⅱ*

正二が逢いに来てくれる事を
ドキドキしながら待っている。

花夜子は自分の本当の想いに
気がついた。

そんな彼女に

・・・電話越しに聞こえる声。

「結婚する事にした

 ガキが生まれるんだ」

花夜子は、声を詰まらせて言う

「私が、幼い頃からずっと
 イチヤだけを愛して生きて
 来た事を貴方は知って
 いるでしょう
 気が狂いそうな程に愛して
 いるの・・・
 私はどうすればいいの?」

花夜子が誰かと電話で話す声を
偶然、聞いてしまう会澤は
その場を動けない。

「知ってるさ
 お前がアニキを好きな事
 俺が一番知っている
 俺は、いつもお前の傍で
 お前だけを見続けてきた
 そんなにアニキが好きなら
 傍にいればいい
 ずっと、愛する人の傍に
 いればいいさ」