飴色蝶 *Ⅱ*

過ぎ去った月日を思い

幼い我が子を思い

そして、貴方を思い

私の頬を涙は伝う。

後、どれだけ頑張れば貴方に
逢える?
 
「カイリ、ママを
 困らせてはいけない」

私用で少し遅れて要が
その場に現われた。

菫は、サッと涙を拭う。

「カナメ」

浬は菫の手を離れ、要の元へ
近づき、彼に抱かれて
得心している。

浬を抱く要の前に透馬は立ち
深く頭を下げた。

「カシラ・・・
 いえっ、四代目
 長い間、家を空けて
 すみませんでした」

「トウマ、皆、お前の帰りを
 首を長くして待っていた
 よく戻って来てくれた
 これからも、組の為に
 精進してくれ」

「はい」