愛しているのに・・・

なぜ貴方は、私の父を殺した。

先に暴力を振るい、貴方に
銃を発砲したのは父である
会澤だ。

貴方が自分の身を守る為に
銃を向けた事も、ちゃんと
理解している。

だけど・・・

どうして・・・
  
庵が、会澤を銃殺した事実を
知った日からもう六年が経つ
というのに、巴の心はずっと
そこに囚われたまま

来る日も来る日も

嘆き悲しんでいた。

庵を憎む事ができれば

どんなに楽だろう。

私は、憎むべき相手を愛さず
にはいられない。

父を殺めた貴方の事を
今も思い続けている、私は
何て親不孝なのだろう。

そんな自分が

嫌で嫌で堪らない。