飴色蝶 *Ⅱ*

そこには、貴方が言うと思って
いた言葉が書かれていた。

それは・・・

『菫へ
 刑期を終えるまでは
 おまえには逢わない
 ・・・・・・
 後の事は、要に任せてある
 彼から、俺が預けた物を
 受け取ってくれ
 
 それで引越しをしても
 当分は暮らしていけるだろう
 お前の好きに使ってくれて
 構わない。 
 
 子供の事を頼む。

 ごめんな

 ありがとう

 おまえだけを愛している

 庵』

やっぱり貴方は逢わないと言う

貴方がそう決めたなら

私は従う。

ボロボロの黄ばんだ紙が

私の宝物になる。

『おまえだけを・・・』