飴色蝶 *Ⅱ*

まだ、話したい事が
たくさんある。

もう少し、お前の傍にいて

この手で触れていたい。

あと少し、お前の寝顔を

この目で見つめていたい。

ほんの少し・・・・・・  

だけど、俺には時間が無い。

翌朝、眠る菫の頬に口づけた
庵は、その部屋を後にする。

目覚めた菫は、庵の姿を探す

彼は、どこにもいない・・・

昨日とは違う、晴れ渡る空
から光が射す。

テーブルの上に置かれた

古く黄ばんだ広告の紙
 
その後ろに

彼は、思いを残す。

初めて見る、貴方の字は
とても綺麗で

私は、涙が出た。