飴色蝶 *Ⅱ*

貴方は・・・

「知ってるくせに
 私が貴方しか愛せない事
 どうして
 そんな事を言うの」

「すみれ」

「貴方は何も分かってない
 貴方を忘れられるなら
 もうずっと以前に忘れてる」
 
庵の頬に手を翳す、菫。

「心配しないで、イオリ
 私は、何処にも行かないよ
 私は、これからもずっと
 貴方だけが好き・・・
 貴方の帰りをずっと待ってる
 だから刑期を終えたら
 私を迎えに来てよ
 
 迎えに来て・・・」

そう言って、庵の胸に
泣きながら甘える菫を
庵は離したくない。

「すみれ、ごめん
 約束する
 必ず、お前を迎えに行く
 お前に逢いに・・・
 だから、泣かないで」
 
泣かないで・・・