飴色蝶 *Ⅱ*

菫の耳元で庵は答える。

「こんな俺でいいのか?
 お前の傍にいてやる事も
 できない、こんな俺で」

菫は、庵の瞳を見つめて頷く。

「貴方じゃなきゃ駄目なの」

庵は、必死に抱きつく菫の腰に
腕を回し、傷の痛みなど
感じない程、無我夢中になって
彼女を抱きしめた。

強く、強く・・・
 
「こんな、俺の事
 ありがとう
 
 俺は、ずっと
 お前だけのものだ」

「嬉しい」

口づけを交わす二人。

『俺は、ずっと
 お前だけのもの』

この言葉があれば
 
私は貴方に逢えるその日まで

どんな苦労にだって
耐えてみせる。

この子と一緒に・・・