飴色蝶 *Ⅱ*

苦しい・・・

私に触れる、貴方の手を
見つめながら問いかけた。 

「彼女を
 ・・・抱いたの?」

庵の答えを聞かなくても分かる

私の心が悲鳴をあげる

・・・寸前

聞こえる。

「彼女とは何も無かった」

何も・・・無かった・・・
 
菫は庵の言葉に驚きを隠せない

本当に、本当?

庵を、じっと見つめる菫の瞳。
  
「何も・・・無かったの?」

「ああ、違う女を愛している男
 と関係を持つ事を彼女の心が
 拒絶した
 お前なら分かるだろう?
 その時のアイツの気持ちが
 ・・・」

ええ、私には分かる。