だけど・・・

口づけられて

抱きしめられて

私は想う。
 
貴方を、もっと近くに感じたい

貴方も、同じ気持ちでしょう?
  
貴方が、違う女性を抱いたとか

私が私だけの体じゃ無いとか

この部屋が、彼女の部屋だとか

私には

考えてる余裕なんて無い。
 
明日からは、大好きな貴方と
手を繋ぐ事さえできなくなる。

菫は庵の手に触れ、放れない
ように強く繋いだ。

この手が罪を犯した手だと
しても

私には、愛しくて堪らない。

その手に菫はキスをし、告げる

「あなたが好きです」

遠い昔、この言葉を庵は聞いた