飴色蝶 *Ⅱ*

「動くな、銃を捨てろ
 もし三代目を撃てば、親父
 今度は、俺がアンタを撃つ」
 
「お前に、俺が撃てるのか?」

「撃つ」

二人は、引き金に触れる指に
力を込める。

庵は、自分が死ぬ事を、少しも
恐れてはいない。

ただ、細矢に

俺の為に・・・

いや、違う、菫の為に

親を殺めるような事だけは

させてはいけない。 

「ホソヤ、やめろ

 止めるんだ」

庵は銃を手に持ち、銃口の先を

会澤組長では無く、新に向けた

「・・・どうしてだ」

庵を見つめる新と会澤の表情は
驚きを隠せない。