「おい、そこのお前
 三代目の縄を解くんだ」

「ホソヤ・・・」
 
「馬鹿げた事をしていると
 自分でも分かっている
 
 幾ら、好きな女の愛する男
 を守る為だと言っても
 ここまで、馬鹿な奴は
 いないだろうな
 
 でも・・・本当の俺は
 ずっと、この日を待って
 いたのかもしれない」

その言葉に、思い当たる節の
ある会澤は言う。

「お前と、お前の母親を捨てた
 俺への復讐って訳か?」
  
「そうだ、俺はずっと父親が
 憎かった
 俺と母親を捨てた父親が・・
 
 母を早くに亡くした俺は
 何処にも行くあては無く
 寂しさの中、一人ぼっちの
 恐怖に震えていた
 こんな時に親父がいてくれれ
 ばと、そう思い泣いた
 そんな俺を貴方は、母の
 知り合いだと告げ迎えに来て
 くれた・・・」