飴色蝶 *Ⅱ*

「カシラ、今、着かれたの
 ですか?
 ここなら、私達がちゃんと
 見張っていますのでご安心
 ください
 
 それよりも、親父が、カシラ
 の到着を別室でお待ちです
 さあ、案内します、こちらへ
 ・・・・・・カシラ?」

新は、椅子に体を縛られて
身動きが取れないでいる
菫の傍へ近寄り

その場に膝を付き、椅子の
背もたれごと彼女を抱きしめた

「可哀想に、怖かっただろう」

「アラタさん」
 
そして、菫を縛り付けている
縄を解こうとする。

「カシラ
 何をするんですか?」

「やめてください、カシラ
 親分に・・・」

新は、縄を解く手を掴んで
邪魔をする男を突き飛ばす。

「黙れ、こんな事をして
 恥ずかしくないのか?
 
 会澤組も
 地に堕ちたものだな」
   
新の言葉に、構成員達は
黙り込む。