飴色蝶 *Ⅱ*

「いいんだ、下がってろ」

その唾を手で拭いながら

会澤は呟く。   
   
「カヤコ
 やっと、あなたに逢えた
 憎いあなた、今度こそ
 私が殺してやる」

「・・・・・カヤコ、誰?」

会澤は、庵の首に両手をかける

強く、強く、両手に力を込める

苦しい・・・

「・・・・・・やめろ」

『・・・・・・やめて』

庵の声と、重なる声。

聞き覚えのある声に、力を
込める手を止めた会澤は

庵から一歩、二歩と後退する。   

花夜子(カヤコ)・・・

お前は、俺を裏切った報いを

受けなくてはいけない。