飴色蝶 *Ⅱ*

その瞳は、一夜の瞳と同じ。

「ほう、その瞳
 やはり君は紛れも無い
 高月組三代目組長
 タカツキ イオリ
 
 初代組長、イチヤの忘れ形見
 ・・・・・・
 今、この場所に、イチヤ自身
 がいるようだ
 
 ここまで、生き写しだと
 この私でさえも、混乱する」

庵の顎を持ち上げて

庵の顔を見つめる。

「傷ついた顔さえも

 何て美しい」

顔を接近させる会澤は、庵の唇
に、そのまま口付けた。
 
その光景を見ていた、組員に
幹部の者達は

呆気に取られている。

何がどうなっているのか・・?
  
驚く庵だったが、我に返り
会澤に唾を吐きかけた。
  
「組長に何を・・・」