会澤組長は、早朝から自宅に
幹部達を集め、高月組との抗争
の件について話をしていた。

何の進展も無い今の状況に
憤りを覚えた会澤組長は
苛立っていた。

「どうなっているんだ
 三代目の命は、狙い損ねる
 トモエは、昨夜から
 帰って来ない
 ・・・・・・それで
 奴の女は、まだ
 見つからないのか?」

声を高ぶらせて激怒している
会澤組長に恐る恐る組員の一人
は言う。

「あれから、三代目のイロと
 思われる女の部屋を
 見張ってはいるのですが
 全く、それらしき人物が姿を
 現す事は無く、あそこに
 人が住んでいる気配すら
 今では感じられません
   
 きっともう、別の場所に身を
 潜めているのでは無いかと
 思われます
 親父、ここはもう、高月組に
 真っ向から乗り込んで
 決着を付けましょう
 その方が、一気に片が付く」