ベッドから立ち、窓の外を
見つめる菫。

「スミレ、あなたが今
 イオリさんに逢いたくない
 気持ちは分かるけど
 できるだけ早く彼に逢って
 二人で話し合った方がいいよ
 
 赤ちゃんの事だって、会社に
 いつまでも黙ってはいられ
 ないし、母子手帳の事とか
 夫婦になるのかならないのか
 早く、決めた方が
 いいでしょう」

「うん、そうだね
 先生にも言われたの
 赤ちゃんの事、今日
 パートナーに話しなさいって
 ・・・・・・
 さすがに、今日は逢う勇気が
 持て無い、逢っても、きっと
 今朝と同じだと思う
 話し合うどころか、私は
 彼を責めて、何の解決策も
 答えも出ない・・・
 
 だけどこのままじゃいけない
 明日の夜、イオリには逢うわ
 そう、イオリに伝えてくれる
 かなぁ、ユキ」

「うん、それがいいわ
 後で連絡しておくね
 私に任せて」