飴色蝶 *Ⅱ*

庵が彼女を選ぶなら、私は
赤ちゃんと二人で生きる。

私を愛していない男性に
縋ってまで

一緒には居たくない

そんなの、この子が

可哀想なだけだ。
 
愛の無い家庭で赤ちゃんを
育てたくない。

お腹の中に、子供が存在する
って、すごい事なんだと
私は思った。

こんなにも、強くなれる。

心から、愛して止まない庵と
別れなくてはいけないのは
とても辛い事だけれど
 
私の中に、別れるべきと答え
が出たならば、それは、もう
受け入れるしかない。
 
私の心は、さっきよりも

少し軽くなった。