飴色蝶 *Ⅱ*

中央に大きなベッドを置いても
まだ、部屋には十分、ゆとりが
ある。

「うん、クィーンベッドなの
 本当は、ダブルベッドで
 十分なのに、ミキちゃんたら
 自分が寝相が悪いから
 キングサイズにしようとか
 言い出して、一人うるさくて
 間を取ってクィーンにしたの
 さすがに
 キングは、邪魔だもの」

ベッドに座る雪乃は、隣の場所
を叩いて菫にも座るように促す

隣に座る菫。

「そうなんだぁ
 こんなに広いと、ゆったりと
 眠れるね、いいなぁ」

「どう、ここに決める?
 決めるなら、大家さんに
 話しておくよ
 
 そうだ、サラサもね
 この間、彼とここに
 遊びに来て、気に入って
 帰って行ったよ
 他にも、気になる部屋が
 あるらしくて、ここと
 迷ってるんだって」