飴色蝶 *Ⅱ*

診察後は、菫は、二人の家へ
寄せてもらう事にした。

「お邪魔します
 素敵な部屋、リビング広いね
 キッチンもゆったりしてる」

幹生は、流し台で手を洗い
タオルで拭きながら
嬉しそうに、菫に言う。

「俺は、この家で、ここが
 一番のお気に入り・・・
 何かあるもので、おいしい
 お昼ご飯を作るよ
 
 スミレちゃんに赤ちゃん
 待っててね」

「はい」

幹生は、エプロンを付けて
冷蔵庫を開ける。

菫は、嫌な事を忘れて目を
輝かせてドキドキしながら

一部屋、一部屋を
見せてもらう。

「こっちも見ていいよ
 寝室なんだけど」

「お邪魔します、寝室も広いね
 これ、ダブルベッド
 じゃないでしょう?」