飴色蝶 *Ⅱ*

庵は、その手を強く払い除け

巴を、冷めた瞳で見つめた。

「誰が
 そんな事をお前に頼んだ
 余計なお世話だやめてくれ」

「やめないよ
 あなたに何と言われようと
 私はやめない、あなたを守る
 あなたの事が死ぬ程
 好きだから」

庵は、巴の言葉に苛立ちすら
感じる。

「もう、やめろよ
 俺の愛は、お前に無い
 他の女に惚れてる男の為に
 命なんて賭けるな」  
    
「分かってるよ
 あなたの愛が私に無い事も
 あなたが私の事を嫌いなこと
 も知ってる、だけど私の
 この想いは止められない
 
 あなたを好きな事
 止められない」