あたし、黒木夏乃。

高校3年生。

隣を歩いているのは宝田蓮。 同じく高校3年生。

そして、楽しそうに前を歩いているのが、栗田龍斗。 4歳。


あたしと蓮のこども。

どうしてこんなことになったかというと、それは1ヵ月前クリスマスの日に起こった・・・。



あたしは目の前で起きている出来事に目をまるくした。
あたしの父と母と家族同然のように話をしている、3年前引っ越していったはずの幼馴染。

「連・・・!」
あたしは無意識の内に大好きなあの人の名前を呼んでいた。

「夏・・・久しぶり!」
そう言って蓮はあたしに抱きついてきた。
お母さんもお父さんもいるのに・・・、あたしは少し恥ずかしかったけれど3年ぶりに感じたそのぬくもりを、手放したくなかった。

「夏、あのね蓮くんはね昨日こっちにもどってきたのよ」
お母さんとお父さんがニヤニヤしながらそう言った。

あたしたちは少し恥ずかしくなり離れた。