「それじゃこの街で死人も探せない」

「…だからお前に依頼したい。ギュネイ・クワイナ」

黒猫の突然の一言に店主の目が鋭くなる。

「あなたが昔、軍の諜報局にいたのは知ってます。」

シオンがそう言った瞬間ギュネイは棚に隠していた銃に手をのばそうとするが、
いつの間にかシオンの手に握られていたの銃が静かに自分をむけられていることに気付き動きを停止させた。

店の客は少女の突然の行動にかすかにざわめく。

「まさかここが嗅ぎ付けられるとはな…」

「落ち着いて、私は政府の人間ではありません」

シオンは小さくそう言って銃をホルスターにしまった。