赤ずきんちゃん×オオカミくん

少年は勢い良く起動しているチェーンソーを片手に一歩、一歩確実にこちらへ近づいてくる

セロシアとアルバはじりじりと後ろへ下がっていく

ーどうするよ、これ文明の機器にはオレ勝てねぇぞ!!

ー私だって・・あ! あれならいけるかも!!

ヒソヒソと交わしているとセロシアがあるものを思いついた

服の中に手を突っ込んで目当てのものを取り出す

「くらえっ!! 対戦車ライフルっ!!!」

「バレットM28?!! に、人間相手にそれはっダメだろ!!?」

アルバの言葉もかまわずにセロシアはパンッと銃弾をチェーンソーの少年に向けて放つ

「ぐ、うっ・・・!!!」

「どしよ、人殺しちゃったー!!?」

ガクッと地面に崩れた少年を見てアルバが青ざめているとセロシアは必死にアルバの袖を引っ張った

「ほらっ 今のうちに行くわよ!!」

「何言ってんだよ、人が死んだんだぞ?!」

「大丈夫、急所は外してあるから!!!」

むりやり走らせようとしていると少年がうめきながら立ち上がった

「うぅ・・ イタイィ・・・ うわあぁぁぁっ!!!!」

「「うわぁぁぁぁっ?!!!」」

勢い良くチェーンソーを振り上げて全速力で走り出す

それを見てしまった二人もまた全速力で走り出す

「ちょ、なんだよあれっ、化け物かよ!!!」

「私が知りたいわよっ!! 対戦車ライフルが効かない人間なんていないはずなのにっ!!!」

走りながら会話をしているとふと目の端に何かが映った