松月の書いてくれた地図通りに進んでみるが、目印であるハズの大きな杉の木はいっこうに見当たらない

日が暮れて真っ暗な森を進むのは危険と判断したので野宿することになった

「あーぁ、何でおばあちゃん家に行くだけだったのにこんなに時間かかってんのかしら・・・ きっとアルバのせいね」

薪を拾いながらぶつぶつと聞こえるように文句を言う

「なっ!! オレのせいにするなよってかそもそもオレ関係な「いーや、あるね!!」」

セロシアは燃え盛っている炎の中に拾ってきた枝を入れながら断言した

「あのさ、そもそもアンタが私を食べようとしたとこからが間違いだったの! わかる?!」

「いや・・・わからなくはないけど あ、でもオレも言わせてもらうけどオレは別にお前を食おうとはしてないからな!!」

お見舞いの品でも少しはいいだろう、ということでアルバが熊の肉を枝に刺して地面に刺していく

「・・・え? でも襲ってきたよね?」

「あれは・・・ お前が乱射してきて身の危険を感じたから本能的に体が動いてだな・・というか、オレ 人肉嫌いなんだ」

「なにそれ、オオカミらしくないわね」

フフッとセロシアが笑うとアルバはムッと口を尖らせた

「なんだよ笑うなよなー オレだって好きでオオカミやってるわけじゃないし」

「あら意外ね じゃあ何になりたかったの?」

「えー・・・そうだなぁ」

ー自由に空を飛べる鳥もいいよな あ、でも魚もいいな 水の中で楽しそうだし ・・・でもやっぱりオレは・・・