もう1人の彼氏

「・・・えりかぁぁ?」

「おいおい、ちょっと泣かせるなよー」

「誰が泣かせたんだよー」

「ごめん、私ね、皆に黙ってたけど、去年、つきあってた人にひどいことされてね、
夜中にその人の家を飛び出して、どしゃぶりの雨の中泣いてたの。
そこをたまたま通りかかったタカヒロが助けてくれて・・
すっごい辛かったから、タカヒロがいてくれて良かったって心から思ったの。
救われた。
それからしばらく彼のことをひきずってた私を気にしてくれて、買い物とか、カラオケとか、いろいろ連れてってくれて。
それを思い出しちゃって涙が出ちゃった。
あは(笑)ごめんね、びっくりしたよね、皆。
ほんっと・・(笑)
あ、でも、もう大丈夫だから、今はもうつきあって長い彼氏いるし、それに・・・」

《それにタカマサっていう存在の人もいるから・・》

言いかけて慌てて止めた。



「それに・・?なに???」


「それに・・私、たぶん、今の彼氏と結婚すると思うから!」

「えー!!!」
一斉に皆が大声を上げた。

「マジで?なんでなんで?」

「ん〜・・たぶん、そうなると思う。
なんか、クサイかもしれないけど、運命みたいなのを感じたんだよね・・あはは(笑)」


「は〜い!はいはい。じゃ〜皆、残念でした〜!」
レナがうまい具合に仕切って終わらせてくれた。