ブーッブーッブーーッ!!

何度も鳴るクラクションに振り向くとタカヒロだった。

「探した。なんで携帯出ねーの?
早く乗れよ。
送ってく。」



「何で探すの…
風邪ひいてるんだから家で寝てなよ…
私は帰れる。」


「風邪なんて嘘に決まってんだろ。
だから騙されたんだよ。
バーカ。
早く乗れ。
今の状態で1人にさせておけねー」


「…っ!後輩のくせに!」


「銀座行かねぇ?買い物したいんだよね。」
悪戯な笑顔を見せながら、私の気持ちを明るくしてくれる。
この後輩がいてくれたおかげで、どれだけ救われただろう。


タカヒロに言われた通り、私の忘れられない人には、騙された…遊ばれただけだったのだ。