もう1人の彼氏


「4年は今年で最後ということで〜
恒例のアレやっちゃいましょうか〜!」


毎年、合宿中、4年のサッカー部員は好きなマネージャーに告白をする。

もちろんいない人は見てるだけだけど。


カップル成立したら皆の前でキスをさせられるっていうありきたりのやつ。



4年のマネージャーは4人。
3年は2人。
2年はいなくて、1年が5人もいる。

かなり多いマネージャー。

でもその半数は彼氏持ち。



「今年は絵里香争奪戦なんじゃないのぉ〜?(笑)」
容姿端麗の麗奈が言った。


「大学一美人の麗奈を差し置いてそんなことあるわけないじゃん…」

「いやぁ〜絵里香の人気はかなりすごいからね。ね、由佳?」

「そうそう。亀は確実だしぃ、あとはぁ…」

「美人2人にそんなこと言われてもさぁ…。そもそも私より2人のほうが最後だからと争奪戦されるんじゃないの〜?もうやだ、私(笑)。でも、今は幸せだしいいや〜(笑)」


「ねぇねぇ、どうするの?きたらOKするの?」


「誰がきてもしないよー!」

「え〜!絵里香らしくない!乗り換えちゃいなよ〜」

「私はもう今の彼氏とずっとやっていくの(笑)」

「ちょっとちょっとぉ。どうしちゃったのよぉ。ずーっと毎月彼氏が変わっていた絵里香が、すっごい平凡な普通の男とずーっと続いてるなんてぇ〜」


「まぁ、そんなもんだよ〜。もう飽きちゃったしさぁ。」


「タカのことはもう忘れられたの?」


「うん!」


即答できるくらい、私の中から、あっという間に消えていた。