「…ん?眠れないの?
なに……泣いてるの?」



《…タカ……起きてたの…?》



「ううん、あくびしたら涙が出ただけだよ。
もう眠いから寝るよ。
おやすみ。」


嘘をついて、
タカに背中を向けて、
寝たフリをした。



涙が止まらなかった。

声を殺して、
肩を揺らさないようにして、
泣いた。



「なぁ、来週さぁ。
またスケート行かない?」


この関係がまだまだ続くと思っているタカ・・・

私は眠ったフリをして、答えなかった。


「なぁなぁ、明日、どこ行く?
俺、代官山行ってみたい。
案内して?」


眠ったフリをしているのに気づいているのか
まだ話しかけてくる。



それでも私は眠ったフリをして、
背中を向けたままでいた・・