もう1人の彼氏

「なぁ、来週そっちに帰るからまた会える?」


「なんで?私たち、別れたんでしょ…」


「でもさぁ、俺、絵里香好きだし。」


「…また付き合うの?」


「いや、付き合うとかは疲れた。
でも、絵里香も俺のこと好きだろ?
お互い好き。それでいいじゃん。」


「そんなのやだ…」


「まぁ、また会って話そうや。」


「私、セフレなんて、なる気ないからね。」


「セフレになろうなんて言ってないやん!
今までと変わらず会おう言うてるだけや。」


「…じゃあ、タカのうちに行かないからね。
ホテルだって行かないよ。」

「あぁ、いいよ。普通にまた買い物したりして遊ぼうや。」



…なんなんだろう、この人。


私は東京にいる間の暇つぶしの女。

本命彼女は名古屋…


今はそれでもいい。

そのうち振り向かせてみせる。


そんなことを考えた。