街で君の唄を聞いた


ああ、何だかグラグラする。






…え?





「レイヒ様!?」

「はい〜…?」

「あっ…すみません…。今フラついていて…。大丈夫ですか?もしかして熱とかありませんよね?」




熱、あんのかな。

って思って額を触った。




「…熱い」

「えぇ!?今すぐに待女をお呼び致しますわ!お体はどういう感じですか?ダルい感じですか?もしかして疲れがとれていなくて…。あああ、私のせいですわ…」

「うん。全部当てはまる。でもレイのせいじゃないから」

「嘘仰い。魔導を教えて一時間みっちりやって、初心者が疲れない訳ないでしょう?例え魔力が高い初心者言えど、疲れない訳がありませんわ」

「魔力高いんだ。あたし」

「兎に角、待女が来るまでジッとしていて下さいね!フィレシア、レイヒ様を頼みますわ」

「了解!」




パタパタパタ……キィッ バンッ




はああぁぁぁぁ…。



あたしの中から気力と幸せが溜め息と共に去っていく…。

力を入れる気がない。


あたしはその場に座り込んだ。




………こんな時に………。





もう溜め息しか出てこない…。
何をすればいいのかさえ分からない…。

思考が働かなくなる。


一時停止どころじゃない。

電源が切れてる状態だ。


誰か充電パックを背中にブスッと挿してほしい…。


何か目覚めたい、というよりか寝たい。



「姉ちゃん!?」


パタ



あたしは王室でつい眠ってしまった。