街で君の唄を聞いた




目を伏せて、ふと思ったことがある。




青年期のベルアーノ王は、



何故だろ。

















ヴィーノに似ている。




けれどヴィーノは皇子じゃない。

騎士長。



王を守るべく人の一番上。





ジュマルド皇子は、直系王族ではなかったの?



二人は、そのことを考えたことは、一度も無かったんだろうか。

知らないということは無い筈だ。



親から伝わるもの。
親から教えられるもの。



そしたら前王はヴィーノの父さん…?


じゃあジュマルド皇子の父さんはどこの位置にいた?




……………分からない。




糸が絡まる。


絡まったら解くのは大変。



だけど…今は解けない。




絡まりすぎて、分からない。





ああ、もう。
何でこんなに悩むわけ?



困難の文字に惑わされて、何故だか焦ってろくに手を付けれていない。



ハサミがあるなら切ってしまいたい。


だけどそれはしては行けない気がして。