街で君の唄を聞いた

「で、何でヴィーノは走ってきたん?」

「あぁ、…案内さっさと終わらせたいから?」

「何で疑問形」

「うーん…。レイヒ様、先程街に出られましたよね?」

「あ、うん」

「服を買いましょう」

「あぁ、うん…え?」

「その服装はやはり少し違和感を覚えますわ。そちらの世界ではそのような格好を毎日着ているのかもしれませんが…。こちらにとっては不思議な目で見ることしかできませんわ」



あぁそうなのか。
制服変なのか。


…制服可愛い高校選んだのになぁ…。


やっぱスカート丈が駄目だったのかな?
ちょい短いし。
若干先生に怒られるし。


「ということはまた街行けと?」

「私どもも付いて行きますわ」

「どもってことは俺たちもか?」

「お金を出すのは男の仕事ですもの。これくらいどってことないですわよね」


いや確かに、あたしここのお金持ってないし知らないし出してもらうしか選択技がないんだけど。
何か異様に悪い気がする。


「でもヴィーノやコルク達は仕事があるんじゃないのかな、レイ」

「いいえ。この野郎たちは暇な筈ですわ。ジュマルド様に先程伺いましたもの」

「それストーカー行為やで、レイ」

「私がストーカーでも?私はただ単にレイヒ様に、レイヒ様の世界に帰られるまで、ここの世界でいい暮らしをしていただこうと考えたからですわ。勿論それには騎士やジュマルド様にも協力して頂くことになるので」

「…その計画俺参加するわ」

「あら。珍しく素直ですわね、コルクロット」


ななな何かもう存在自体が怖いです。

最初は可愛くて持ち帰りたいだったけど、今はもうお母さん…いやそれ以上の権力を持っている気がします。
世界のお母さんにもなっても可笑しくはない。
この黒さは誰にも負けないだろう…!



「さ、そういうわけで支度ができたら行きますわよ」

「んじゃとりあえず俺の部屋から皆出てくれや。何もできへん」

「あ、ここコルクの部屋だもんね。忘れてた」

「あれ、レイヒちゃんここの文字分かるん?」

「こっちで扱ってた文字に微妙に似てたから。うん」


読み取りにくかったけど。