街で君の唄を聞いた


横を一瞬にして通り抜けたクレイアさん。
ロングドレスなのに足速くね?


「ノクラム!どきなさい!」

「な…」

「――血の契約のにおいて応えよ…アスパルタ!」



フワッ…



風に包まれて出てきた…え、何あれ。
え、あれマジで何!?



『クレイア…今日はどうした』

「あれよ、あれ。やるわよ、アスパルタ」

『承知』



おわわわわ!喋った!
生き物だったの!?
わお!も何か動き始めたよ!

不思議な生き物でございますね!!



「『シャーリグル!』」



パァン!!



ほんの、一瞬だった。
瞬きさえも与えない攻撃。

でも何が起きたのか理解しかねる程で――。


…あの、破壊してます。
恐らく敵諸共。
砕けてますよ。ボロボロですよー。

はは、やだな。
やっぱり夢をみてるんだ。
そうだそうだ。
起きなきゃいかん。



「ッ!」



頬に飛んできた硝子の破片が掠った。
怪我した!と思ったのと同時に、夢ではないことが解った。
カアサーン、夢じゃなかったよー。

…この世界に来てることを夢だと思いたいのは山々だけど、それ以前に変な生き物が出てきた時点でゆっくりだと思いたかった。



「ありがとうアスパルタ。お疲れ様」

『クレイアもな。それでは戻る』

「えぇ」



すると今度は逆で、風に包まれて消えた。
何なの、あれ。

私はあんな生き物シラナイヨー。