街で君の唄を聞いた


ストンと降ろされると、手を出された。



「お手をどうぞ?」



これは流れ的にやらなきゃいけないのか?
だってめっちゃ視線浴びてるし。
しかも女性の視線が痛い。
やっぱり視線で殺されそう。
“何あの子!!選ばれし者だからって調子のってんじゃないわよ!!”
とか絶対思ってるってぇぇぇぇえ!!

仕方なく手を乗せて上を見上げると、柔らかい笑みを浮かべるヴィーノがいた。
え、何コイツ。
マジでどういう風の吹き回しだよ。



「わわっ」

「俺に身を預けてればいい」

「むっちゃエロいよ。今の台詞むっちゃエロい。色気むんむん」



何をサラッと言ったんだよ。
思わず反応しちゃったじゃないか。
あ、でも体、軽く感じる。
フワフワしてる。

雲の上のダンス。

それが今一番合うだろう。
あぁ、でもフワフワしすぎて気持ちまでフワフワしてくる。

恥だよ。
これは恥だ。
戻れたら、否、戻れなくても絶対やんねー。


ざわりざわり。
優雅な音楽を段々と潰していく人声。
踊る人は何故か少なくなってきた。

おいおい、踊ってくれよ。
そうじゃなきゃ目立たないんだって!

一点の場所に釘付けな人達。

あぁもう。
みるんじゃない。
他を見てくれ他を。

とか思っていても、減っていく。
どうしてくれんだ。


早く終わってく――――。



バリンッ!!



「キャ――――!!」

「お前はここで待ってろ!」



何が起きた。

優雅な音楽は止まるし、いきなり窓は割れる。
しかも行こうとしたらヴィーノに止められるし。
いやドレスじゃ動けないけど。



「えっ、ク、クレイアさん!?」