街で君の唄を聞いた


「で、何でレイヒちゃんはここにいるの?」

「は!?え?あぁ、逃げてきた」

「誰から?」

「えーと…あ」

「ん?」


ドドドドドド…


ドドドドドドドドドドド


「だからッ そっちに手前ぇの部屋はねぇっつってんだろーが!!」



ものすんごい顔して走ってきました。
彼、ヴィーノさん。

そ り ゃ あ 怒 り ま す よ ね !


ドアの目の前まで来たヴィーノは、肩を上下に揺らして息をしている。
相当走ったし疲れただろうに。
お疲れさん。
綺麗なお顔が台無しですよ。


「おい手前ッ、ッハー…、何で逃げた、んだよ」

「何あったのか知らないけど、取りあえず落ち着けば?」

「コルクロット…お前あとでぶん殴る」

「マジでか」

「ま、取り合えず落ち着きなさいよヴィーノ」

「いたのかルレイブ」

「あら嫌ですわ。こんなところに埃がついてらっしゃる」

「分かった。すまない」



うわぁ 会話スゲェ。


レイってそんなに怖かったのか。
まぁ如何にも怖いようなオーラ出してるし。うん。
真っ黒ーいものが体中からでていますよ。
早くしまってください。怖いです。


「…で、ジュマルドに案内しろって言われて、口喧嘩」

「ヴィーノが悪いのは確かですわね」

「うん。そう。ヴィーノが変人っつってきたし」

「いくら選ばれし者だからと言ってそれはないですわ。今すぐ謝りなさい、ヴィーノ」

「何で俺が…」

「謝りなさいという言葉が分からないのかしら?それとも私が謝らせて差し上げましょうか?」

「悪ぃ。俺が悪かった」

「私に向かって言わないでくださいますか?レイヒ様に向かって言ってください」

「…すまん」


あぁもうどうでもいいよ。
だからルレイブさん。
黒いオーラしまって?
もうここで一生のお願い使っちゃうからさ。